言葉で消化すること

若くないから若い子の書く歌詞は刺さらない、などというのは老化だろうか。でもよく考えてみたら若い頃から人気曲の歌詞は刺さっていなかった。日本語を飾って捏ねて作った歌詞ほど刺さるのは中二病と言われるのだろうか。

言葉はどんどん簡素化していき、若い子と話していると自分の言葉も簡素化していく。無理な若作りは痛々しいと言われるけれど喋っているうちに勝手に移って簡素化してしまうのだから仕方ない。

言葉は思考だから簡単な言葉を使っていると自分の思考も簡素化していき、それは良いことのようにも思えるけれど私の場合は簡素化され切らない情報が頭の中に山積みになっていく。

その山積みの情報は、言葉をこねくり回してありとあらゆる表現を用いて消化するしかない、らしい。他の方法を知らない。

自分で表現できないから、表現を生業とする人の言葉に代弁してもらって消化していく。自分の言葉で表すことをやめてはいけない、というのは表現者寄りの考え方だと思う。

こんがらがった情報を他人の言葉で解して、ようやくその中に埋もれた自分の気持ちを探し出す。