暗くて寒くて何もする気になれない朝、起きてはみたけれど座ったままぼうっとスマホでSNSを見ることしかできない朝は、とにかく紅茶を入れる。
とりあえずやかんに水を汲む。こんろに掛ける。お湯を沸かしている間に顔を洗って歯を磨く。余裕があれば着替える。適当なワンピースを被るだけでもパジャマではなくなる。
お気に入りのカップを出す。お菓子をお皿に乗せる。ビスケットやチョコレート、なければ柿の種でもいい。今日はやきりんご味のビスコと、いつかのお土産に買ったちょっといい金平糖。
お湯が沸いたらティーポットを温めて紅茶を入れる。猫舌なのでカップは温めない。とにかくお茶の時間にする。何もできない朝じゃない、何もできない自分じゃない、そのままぼうっとしていても、ただの優雅なティータイム。そこが例え統一感のない雑多な物で溢れたリビングだとしても。